赤松(アカマツ)


国内に自生する『松』は数種類に及びますが、その中で最も身近な『松』に『黒松(クロマツ)』と『赤松(アカマツ)』があります。
赤松は別名『雌松(メマツ)』、『女松(オンナマツ)』と呼ばれ、海辺から離れた内陸部に自生しています。
「街道の松並木」と呼ばれる松のほとんどは、この赤松です。

木肌に近い部分は樹齢の古いものほど木目が美しく、大変素晴らしい仕上がりを見せます。

一般に木材の形が良くなかったり変色したりするので、建築用材としては、どちらかといえば表面には出ない構造用に用いられます。
用途としては、梁、桁、敷居、化粧垂木、床板、鉄骨・鉄筋コンクリート建築の下地材、パルプ材、杭、木箱、折箱、割り箸などがあります。
曲げに対して強いため、古い民家では小屋丸太に多用されてきました。
特に千葉県や茨城県地方に多い「入母屋造り」と呼ばれる農家建築には欠かすことのできない木材です。

最近では、松食い虫などの影響で、良質の国産材不足から、輸入材である北米産の『ベイマツ』が代用されるようになってきました。

『松』という木材を取り扱う上で注意しなくてはならないのは、”ヤニ”、”カビ”、”ネジレ”の三点です。
『松』は細胞間道(樹脂道)を持っているため、材面にヤニがにじみ出てくることが多々あります。
また、未乾燥材は青変菌により、青色または黒色に変色する(カビ)ことが多いので、伐採後早く乾燥することが必要です。
更に、『松』は針葉樹の中で最もネジレやすく割れやすいので、非常に取り扱いの難しい木材です。

参考・引用文献
『”木”のはなし』 つくば緑友会 発行
『木のデザイン図鑑』 (株)建築知識 発行


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